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01 01
2020

男声合唱

歌う人のためではなく、聴く人のための 男声合唱ガイド101(無伴奏編) ――チベットから不気味社まで―― 目次

簡単なまえがき
長いまえがき

  第1章
1.チベット仏教
2.グレゴリオ聖歌
3.東大寺のお水取り
4.声明とグレゴリオ聖歌
<番外編> なぜ、男だけで歌うのか
5.バリ島のケチャ
6.江戸の木遣り
7.グルジアの男声合唱
8.コルシカの男声合唱
<番外編> 合唱指揮者の発言
9.ロシアの宗教音楽1
10.ロシアの宗教音楽2
11.マサイ族の男声合唱

  第2章
12.カッシア《聖水曜日のための讃詞》
13.レオナン《地上のすべての国々は》
14.ペロタン《主を讃美しよう》
15.ペロタン《アレルヤ、処女マリアの誕生》
16.ペロタン《支配者らは集まりて》
17.ボシュ《若い頃、ブリュッセルにて》
18.マショー《不可思議の蛇フィトン》
19.ソラージュ《煙を燻べる者》
20.ソラージュ《ベリー公の気高き行いがなかったら》
21.シャンティー写本《さようなら》
22.デュファイ《美しい人よ、私をあなたの召使いに》
23.バンショワ《唯一の崇高な悩み》
24.オケゲム《ミサ・カプト》
25.ジョスカン・デ・プレ《わが子、アブサロン》
26.ジャコタン《主を畏れたるすべての者は幸いなり》
27.コーニッシュ2世《おーい、陽気なラッターキン》
28.エンシーナ《あちこちに知らせて》
29.ジャヌカン《鳥の歌》
30.ジャヌカン《マリニャンの戦い》
31.コルテッチア《ヨハネ受難曲》
32.ノーラ《ガリアルダを習いたいご婦人方よ》
33.ローレ《シチリアの軽やかな旋律を運ぶあし笛》
34.A・ガブリエリ《誰がソルフェージュを》
35.クローチェ《エコー》
36.ロッシ《バビロンの流れのほとりで》
37.ローズ《月夜の今晩、酒を飲み》
38.パーセル《三たびもジュリアを誘いたれど》
39.パーセル《サー・ウォルターは娘とお楽しみ》
40.パーセル《にやけ男は疫病になれ》
41.ロッティ《ミゼレーレ》
42.アーン《合唱クラブ》
43.ボルトニャンスキー《ヘルヴィムの歌第7番》
44.シューベルト《精霊の踊り D.494》
45.シューベルト《ワインと愛 D. 901》
46.メンデルスゾーン《トルコの酒場の歌 作品50-1》
47.シューマン《戦いの歌 作品62-3》
48.リスト《真夜中の散歩》
49.コルネリウス《老兵士 作品12-1》
50.サン=サーンス《サルタレッロ 作品74》
51.グリーグ《子供の歌 作品30-2》
52.ブリッジ《ガチョウのひな》
53.ヤナーチェク《さまよえる狂人》
54.グレチャニノフ《キエフの歌》
55.シベリウス《恋する人 作品14》
56.シベリウス《月よ、ようこそ 作品18-2》
57.ベアストー《音楽、穏やかな声が絶えるとき》
58.シェーンベルク《団結 作品35-6》
59.チェスノコフ《年老いた時も、私を見放さないでください 作品40-5》
60.バルトーク《4つの古いハンガリー民謡》
61.コダーイ《廃墟》
62.コダーイ《国民の歌》
63.ヴィラ=ロボス《ショーロス第3番 きつつき》(無伴奏合唱版)
64.トッホ《地理的フーガ》
65.マルタン《3つの合唱曲》
66.ミヨー《詩篇121 作品72》
67.オルフ《コンチェルト・ディ・ヴォーチIII ものに涙あり》
68.ヒンデミット《死》
69.プーランク《酒呑み歌》
70.プーランク《アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り》
71.トンプソン《アレルヤ》
72.ショスタコーヴィチ《忠誠 作品136》
73.ビーブル《アヴェ・マリア(アンジェラス・ドミニ)》
74.シェルシ《アンティフォナ》
75.清水脩《アイヌのウポポ》
76.ケージ《物語》
77.柴田南雄《三つの無伴奏合唱曲 作品24》
78.リゲティ《ナンセンス・マドリガル》
79.ラウタヴァーラ《ビールに寄せるセレナーデ》
80.間宮芳生《合唱のためのコンポジション第6番》
81.トルミス《司教と異教徒》
82.トルミス《嵐の海への呪文(大波の魔術)》
83.多田武彦《草野心平の詩から》
84.ペンデレツキ《主を讃美しよう》
85.ラーベ《ロンド》
86.肥後一郎《日本民謡集》
87.パーックナイネン《冬山のヨイク》
88.パターソン《タイム・ピース 作品16》
89.ポレッティ《キリエ・エレイソン》
90.J・サンドストレム《カオ・ヤイの歌う猿》
91.ヒルボリ《muoɔɑaəyiyɯɔoum(ムウヲオアヱエユイユエアオウム)》
92.木下牧子《祝福》
93.マンテュヤルヴィ《シュード・ヨイク》
94.ウィテカー《ルクス・アルムク》

  第3章
95.シー・シャンティ《酔いどれの船乗り》
96.ロシアの歌から《12人の盗賊》
97.M・ウィルソン《76本のトロンボーン》
98.バック・ラム&アンディ・ランド《オンリー・ユー》
99.伊福部昭《SF交響ファンタジー第1番》
100.レノン=マッカートニー《ペニー・レイン》
101.槇原敬之《世界に一つだけの花》
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06 24
2018

合唱全般

ワーグナー オペラ合唱曲集

ワーグナーのオペラにはさまざまな合唱が含まれます。
ほとんど演奏されていないものも含め、どのようなものがあるかをまとめてみました。原則的に、「合唱が主役、もしくは独唱と対等」になっているものを集めています。

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★★★ 合唱だけ
★★  独唱者が必要
   複数の独唱者が必要

はおすすめの曲です。
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日本語題名については、井形ちづる訳『ヴァーグナー オペラ・楽劇全作品対訳集』(水曜社)を参照しました。


  <混声合唱編>
 
 《妖精》

第2幕 戦士と民衆の合唱「おお悲しや、辛い!(Weh uns! Weh!)」
★★ ローラ(ソプラノ)と合唱。合唱がトラモント王国の破滅、そして国民の死の恐怖を嘆く。

第3幕 「柔らかな空の輝きに(Heil sei dem holden Frieden)」
★★★ モーラルトとローラを讃える歌。


 《リエンツィ》

第1幕 ラテラーノ大聖堂内の合唱「目覚めよ、遠近の眠っている人たちよ(Erwacht! ihr Schläfer nah und fern)」
★★★ 二群の合唱。ほとんど無伴奏で演奏される(終わり3小節でオルガンが登場するが、合唱を補強しているだけなので、アカペラでの演奏は可能)。この前後は管弦楽つきの「民衆の合唱」。

第1幕 「リエンツィ! リエンツィ、万歳!(Rienzi! Ha Rienzi hoch!)」
 リエンツィ(テノール)、チェッコ(バス)、アドリアーノ(ソプラノ)、バロンチェッリ(テノール)、合唱。
ラテラーノ大聖堂内の合唱のすぐ後。第1幕の最後で歌われる。


 《タンホイザー》

第2幕 騎士たちと貴婦人たちの合唱「この貴き殿堂に喜びの挨拶を送ろう(Freudig begrüßen wir die edle Halle)」
★★★ 一般に「大行進曲」と呼ばれるもの。独立して演奏される機会がとても多い。

第3幕 合唱「万歳! 恩寵の奇跡よ、万歳!(Heil! Heil! Der Gnade Wunder Heil!)」
★★★ 幕の最後で歌われる。譜面上はヴァルターなど6人の歌手が加わっているが、合唱パートをなぞっているため、★★★扱いにした。女声合唱(年若き巡礼の合唱)がしばらく続いた後に、男声合唱が登場し、盛大な混声合唱になってオペラを閉じる。


 《ローエングリン》

第2幕 「長い間苦しみに絶えられた姫の歩みに祝福あれ(Gesegnet soll sie schreiten, die lang in Demut litt)」
★★★ エルザ姫を男声合唱が、ついで女声合唱が加わって一緒に讃える。最後は幸せなムードをぶちこわしたかのような和音で、オルトルートの突然の登場を予告する。

第3幕 「忠実なるお供を従えてお進みください(Treulich geführt ziehet dahin)」
★★★ 有名な「婚礼の合唱」。ローエングリンとエルザの2人に「愛の幸せが続きますように」だとか、「確かな守りのあるここに留まってください」だとか言っているが、彼ら彼女らの期待はすぐに裏切られてしまう。


 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》

第1幕 会衆の合唱「救世主があなたの元に来て(Da zu die der Heiland kam)」
★★★ 冒頭で歌われる。ワーグナー流の宗教曲。

第3幕 「聖クリスピンは(Sankt Krispin)」
★★★ 靴職人・仕立て職人・パン職人・徒弟から成る4群の合唱(ただし、それぞれの合唱群が重なり合うのはほんのわずか)。ほとんど男声合唱といったところだが、最後に登場する徒弟の合唱は、アルト1パート、テノール2パートから成る変則的な混声合唱。


 《パルジファル》

第1幕 「最後の晩餐の聖餐式のために(Zum letzten Liebesmahle)」
★★★ 聖杯の騎士たち(テノール・バスの男声二部合唱)、若者たち(アルト・テノール1・テノール2の混声三部合唱)、少年たち(ソプラノ1、ソプラノ2、ソプラノ3、アルトの女声四部合唱)という、声部数も声質も異なる3つのグループにより歌われる。

第1幕 「最後の晩餐のワインとパンを(Wein und Brot des letzten Mahles)」
★★★ こちらも、聖杯の騎士、若者、少年によって構成されているが、騎士の合唱がさらに2群に分かれる。


  <男声合唱編>

 《さまよえるオランダ人》

第1幕 水夫の合唱「激しい雨風が遠い海から(Mit Gewitter und Sturm aus fernem Meer)」
★★★ 幕の最後で歌われる。第3幕の「水夫の合唱」のほうに比べると単独での演奏機会は少ない。

第3幕 水夫の合唱「舵手よ! 見張りなんかやめちまえ!(Steuermann! Laß die Wacht!)」
★★★ オペラ男声合唱曲の中でトップクラスの知名度を誇る。最後の伴奏にて、「強拍ごとに足を強く踏み鳴らす」という演出がある。

第3幕 「ヨホホエ!(Johohoe!)」
★★★ オランダ船の乗組員たちと、ノルウェー船の水夫たちによる二群の合唱。嵐の中で歌われる設定なだけに、緊迫感は随一。


 《タンホイザー》

第1幕 年老いた巡礼たちの合唱「あなたのもとに巡礼してまいります(Zu dir wall'ich)」
 牧童(ソプラノ)・タンホイザー(テノール)・男声合唱。合唱のテンポと、シャルマイ(楽器)を吹く牧童のテンポを変えるよう指定されている。

第3幕 年老いた巡礼たちの合唱「救済されて、ようやく故郷を目にし(Beglückt darf nun dich, o Heimat, ich schauen)」
 いわゆる「巡礼の合唱」といえば、こちらを指す。男声合唱をエリザベト(ソプラノ)とヴォルフラム(バリトン)の二人が聴く場面。合唱単独で演奏される機会が多い。リストがピアノ曲に編曲した。


 《ローエングリン》

第2幕 「朝早くから招集のラッパだ(In Frühn versammelt uns der Ruf)」
★★ 男声合唱と伝令(バス)。ローエングリンを讃える一方、彼と決闘したテルラムントの追放に「呪いあれ」などと同意する。


 《神々の黄昏》

第3幕 「おーい、おーい、おーい!(Hoiho! Hoihohoho!)」
★★ ハーゲン(バス)と合唱。四部作《ニーベルングの指環》全体を通して、合唱が大活躍する唯一の場面。なお、四部作の他のオペラには合唱が全く登場しない。


 《パルジファル》

第3幕 聖杯の騎士の合唱「厨子のなかに大切にお守りして(Geleiten wir im bergenden Schrein)」
★★★ 2群の男声合唱。騎士達の一方はティトゥレルの柩を運んでいる。別の騎士達はアムフォルタスを連れてきている。


  <女声合唱編>

 《妖精》

第1幕 妖精たちの合唱「舞い上がりましょう(Schwinget euch auf)」
★★★ 第1幕最初の歌。踊りながら、妖精の国の王女アーダを讃えている。


 《リエンツィ》

第2幕 平和の使節の合唱「ローマの民よ(Ihr Römer)」
★★★ 第2幕冒頭、リエンツィたちが登場するまでの合唱パート。ほとんど無伴奏。
その後管弦楽とともに、リエンツィ(テノール)、平和の使節(ソプラノ)、元老院議員たち(男声合唱)が続く。


 《さまよえるオランダ人》

第2幕 娘たちの合唱「ブーン、ブーン、良い子の糸車よ(Summ und brumm, du gutes Rädchen)」
★★ マリ(アルト)と合唱。別名「糸紡ぎの合唱」。海にいる恋人を思いながら糸車を廻している。オペラの女声合唱の中でもとりわけ知名度が高い。


 《タンホイザー》

第1幕 セイレーンの合唱「岸辺においで(Naht euch dem Strande)」
★★★ 幕の冒頭(第1場)で歌われる。第1場は管弦楽中心であり、合唱の登場は少ない。
05 05
2018

男声合唱

多田武彦 年譜(できたところまで) Ver. 1.04

1930年
11月22日、大阪市南区(現在の中央区)に長男として生まれる。

1943年
旧制大阪府立今宮中学校(現在の大阪府立今宮高等学校)に入学。

1945年
1月より、恵我之荘(現在の大阪府羽曳野市)に縁故疎開。
6月、空襲で友人を失う。

1946年
ミュージカル映画の監督を志し、独学で和声学・対位法・楽式論などの勉強を開始。
それまで陸上競技やバスケットで活躍していたが、体を壊したことも「作曲の道に入る契機」になったという。

1947年
旧制大阪高等学校(文科丙類)に入学。田中信昭や片岡通昭に誘われ、コーラス部に入部。

関西合唱連盟主催の合唱祭にて、同志社グリークラブや関西学院グリークラブの男声合唱に出会い、深い感動を覚える。

入学してまもなく、同級生との学力の差に苦しむ。このことを当時の国語の担当であった、犬養孝に打ち明けたところ、作曲の勉強を続けるよう励まされ、さらに、日本の詩による歌曲の作曲を奨められた。
また、彼から「書物のリスト」を手渡され、これを通して中原中也の詩に出会った。以後、中也の詩による独唱曲をいくつか作曲する。

1947/48年
室生犀星の詩による独唱曲「寂しき春」を作曲(17歳)。

1949年
関西学院グリークラブ50周年記念音楽会を聴きに行き、無伴奏の男声合唱の美しさに心酔する。

1950年
京都大学法学部に入学。京都大学男声合唱団に入団し、トップを担当。

  10月16日
京大合唱団第21回発表会(10月14日)の直後に臨時総会が行われる。
現指揮者I氏を解任し、代わりに多田武彦を指揮者としてコンクール出場を目指そうとする提案が賛成多数で可決された。

『京大合唱団70年史』に寄せられたOBの手記によると、I氏は男声合唱団よりもオーケストラの方に関心があったようで、コンクール直前にもかかわらず欠席することが多かったという。そのようなことに対し、団内の不満が高まっていたようだ。

  10月29日
第5回関西合唱コンクールに出場。3位入賞。

1951年
   1月 
関西学院グリークラブ第18回リサイタルにて、木下杢太郎作詩・山田耕筰作曲の「夕やけの歌」を聴く。数日後、古本屋で木下の詩集『食後の唄』を購入。

  11月3日
第6回関西合唱コンクールに出場。2位入賞。  

  11月23日
京大合唱団第22回発表会で、清水脩「月光とピエロ」などを指揮。

  12月9日
清水脩作品発表会に「月光とピエロ」で出演。
以後、清水との交流が始まる。

1952年
  11月3日
第7回関西合唱コンクールに出場。3位入賞。

  11月30日
京大合唱団第23回定期演奏会にて、清水脩作曲による男声合唱組曲「三つの小笠原新調」を初演。

1953年
京大を卒業。家庭の事情*で映画監督の道をあきらめ、銀行(富士銀行)に就職。大阪の船場支店に配属。
清水に音楽をやめる旨伝えたところ、日曜作曲家として少しずつ作曲を続けることをすすめられる。
* 不況による就職難で、両親より就職浪人となることを心配され、就職するよう提案された。

「柳河」で、全日本合唱コンクール課題曲佳作を受賞。後、男声合唱組曲「柳河風俗詩」第1曲となる。

11月より、清水に対位法のレッスンを受ける。

1953/54年
アルマ・マータ・クワイアに入団。定期演奏会の指揮者を、第1回(1954年)から第3回(1956年)まで務めた。

1954年
男声合唱組曲「柳河風俗詩」を作曲。

  12月5日
京大合唱団第25回発表会にて、「柳河風俗詩」が初演される。

1955年
「彼岸花」で、全日本合唱コンクール課題曲佳作を受賞。後、男声合唱組曲「雪と花火」第2曲となる。

1957年
東京に転勤。

1958年
東京コラリアーズの演奏会にて、畑中良輔と初対面。

5月 京都大学応援団の求めに応じ、応援歌「新生の息吹」を作曲(後、2001年3月に男声合唱に編曲)。

銀行の取引先として山田耕筰と会う。山田と銀行の間にトラブルが勃発し、その解決を支店長から期待されてのことであった。
趣味の話になり、多田が「男声合唱組曲を書いている」と答えたところ、図らずも、山田から作曲についての教えを受けることになった。生涯にただ1回の出会いとなったが、多田はこのエピソードを終生大事にした。

1960年
「雨の来る前」が、全日本合唱コンクールの課題曲に入選。後、男声合唱組曲「雨」第1曲となる。

1963年
混声合唱組曲「京都」で、芸術祭奨励賞を受賞。

1965年
作曲活動を中止。彼は後に、1954~1964年の活動を「第一期」と呼んでいる。

1966年
明治大学グリークラブからの委嘱をきっかけに作曲活動を再開。翌年、男声合唱組曲「雨」を完成させる。

1967年?
女声合唱組曲「白き花鳥図」が出版された直後、清水脩から電話で「今後はピアノ伴奏付の曲は書かない方がいい」などと忠告を受ける。
*清水から電話があったのは、『合唱サークル』(音楽之友社)の付録楽譜に「白き花鳥図」が収録された直後だと思われる。独立した楽譜として、『女声合唱組曲 白き花鳥図』が出版されたのは1968年。

1968年
  8月4日
草野心平宅を訪問。『草野心平日記』には、「作曲の題の打合せ」とあり、男声合唱組曲「北斗の海」に関する内容が話しあわれたものと推察される。

1970年
新橋支店次長に就任。

1971年
藤沢市に移住。

1972年
全日本合唱連盟が主催した「第2回(1972年度)創作合唱曲公募」の歌詞として、中村千栄子「潮風のうた」が掲載される。多田はこれを男声合唱組曲にしたが、「もう一つ充分に描き切れなかった」としている。実際に応募をしたのかどうかは不明。

以降、男声合唱組曲「尾崎喜八の詩から」を作曲する1974年まで作曲活動を中止。

1973年
大阪へ転勤。堺支店長に就任。
彌生書房『尾崎喜八詩集』を通し、初めて尾崎喜八の詩と出会う。

1974年
作曲活動を再開。

1977年
東京に戻る。目黒支店長に就任。

1993年
病気のため、7ヶ月の自宅療養。

2005年頃
この頃より怪我や病気に悩まされる。主治医から遠距離移動や長時間の指揮・講習・観劇などを禁じられる。

「合唱音楽に関する効率的練習方法」を編み出す。

2007年
この頃より、「余命幾許もない間に、作曲し残した作品を書き残しておこう」と考えるようになり、10以上の男声合唱組曲の作曲計画を立てる。その作品の数は、2010年の「東京景物詩・第二」初演(5月)時点では「十一ほど」、「中也の四季」出版時点(12月)では「約十五」となっている。

2009年
「合唱音楽に関する効率的練習方法」を発表。

2018/05/05 公開
2018/05/05 Ver. 1.01 「新生の息吹」を追記。
2018/05/06 Ver. 1.02 「白き花鳥図」関連の文章を追記。
2018/05/13 Ver. 1.03 「関西学院グリークラブ50周年記念音楽会」の追記など。
2018/07/08 Ver. 1.04 銀行関連を中心に加筆。
06 26
2015

合唱全般

合唱界のクーセヴィツキー ――池田規久雄氏委嘱により生まれた合唱作品リスト――

 リスト作成者の立ち位置を書いておくと、池田氏と私は面識がありません。
 また、私は最近の合唱界の動向には詳しくない。リストから欠落している作品が数作ほどあると思います。
 そうそう、タイトルにつけた「合唱界のクーセヴィツキー」ですが、私が合唱作品リストを完成させた後に名づけました。

 曲を依頼された作曲家の発言から、次のことが読みとれます。
 作曲家に対し「内容はおまかせしますから、自由に書いてください」「いつも通りにやってください」とするタイプであること。以下の引用は、池田氏が委嘱した作品の1つ、混声合唱組曲「ポーの鐘」(作曲:なかにしあかね)からのものです。

  この作品は、池田規久雄氏の委嘱により、早稲田大学合唱団(指揮:辻 志朗)の
  ために作曲された。新曲の委嘱を頂くと、私は多くの場合、複数のテキストのアイ
  デアをご提案して、合唱団員の方に選んで頂く。今回も3通りの詩をご提案し、学生
  さん達に数か月かけて読み込んで頂き、歌いたいと思われる詩を選んで頂いた。

 
――――――――――――――――――――――――――――
寺嶋陸也 女声合唱、マンドリンとピアノのための「わが庭の歌」
2005年6月4日
野本立人指揮 合唱団まるめろ、濱野高行(マンドリン)、寺嶋陸也(ピアノ)
カワイ出版

千原英喜 男声合唱とピアノのための組曲「ある真夜中に」
2007年3月29日 
清水敬一指揮 早稲田大学高等学院グリークラブ、佐竹優(ピアノ)
全音楽譜出版社

信長貴富 混声合唱とピアノ(四手)のための「ゴールドベルク讃歌」
2008年2月17日
野本立人指揮 合唱団 轟-TODOROKI-・合唱団まるめろ・合唱団ひぐらし・女声アンサンブル桜組・宇都宮おとこコーラス粋狂座、筧千賀子・安藤友侯(ピアノ)
カワイ出版

瑞慶覧尚子 女声合唱組曲「ひとふさの葡萄」
2008年7月24日
吉田朋世指揮 山形西高等学校合唱団、郷津由紀子(ピアノ)
カワイ出版

信長貴富 女声合唱とピアノのための「ぎらりと光るダイヤのような日」
2008年9月23日
清水昭指揮 K.C.めぐみ、服部真由子(ピアノ)
カワイ出版

松下耕 男声合唱組曲「秋の瞳」
2008年10月11日
大門康彦指揮 男声合唱団フロイデ
カワイ出版

大竹くみ 男声合唱とオルガンのための「六つのマリアの歌」
2008年12月23日 
清水昭指揮 早稲田大学コールフリューゲル、大竹くみ(オルガン)
カワイ出版

松下耕 混声合唱とピアノのための「すこやかに おだやかに しなやかに」/「たったいま」(混声合唱)
※首都大学東京エリカ混声合唱団との共同委嘱。
2009年12月23日
早川由章指揮 首都大学東京エリカ混声合唱団、大竹くみ(ピアノ)
カワイ出版

なかにしあかね 混声合唱組曲「ポーの鐘」
2010年12月25日
辻志朗指揮 早稲田大学合唱団、なかにしあかね(ピアノ)
カワイ出版

大竹くみ 「聖母マリアのアンティフォナ」(混声合唱)
2011年10月2日
島田和昭指揮 群馬室内合唱団
http://gcc1996.gr.jp/20111002_concert.html

久田菜美 祝婚歌(混声合唱)
2012年4月8日
清水昭指揮 丸紅本社合唱団、筧千佳子(ピアノ)
http://reviken.blog6.fc2.com/blog-date-20120409.html
http://page.mixi.jp/view_page_feed_entry.pl?page_id=107175&feed_id=13688409

鈴木憲夫 男声合唱組曲「イーハトーヴ・ファンタジア」
2012年11月17日
岩佐義彦指揮 男声合唱団東京リーダーターフェル1925
カワイ出版

大田桜子 混声合唱とピアノのための「歌はどこから」
2012年12月23日
仁階堂孝指揮 上越教育大学混声合唱団、石川潤(ピアノ)
音楽之友社
http://blogs.yahoo.co.jp/juemixed/36892212.html

寺嶋陸也 男声合唱とピアノのための「風と浪三唱」
2013年4月14日
寺嶋陸也指揮 JORDAN会、浅井道子(ピアノ)
https://www.facebook.com/rikuya.terashima/posts/244607479017309
カワイ出版

千原英喜 混声合唱のための「ふることのふみ」
2013年6月30日
仁階堂孝指揮 Ensemble Evergreen
全音楽譜出版社
http://evergreen.sakuraweb.com/8thconcert.html

アベタカヒロ 「青春のうた・あこがれの歌」(編曲)
2013年12月23日
あらかわ童謡コンサート
http://shop.tokyo-shoseki.co.jp/shopap/special/music/ad/arakawa/

上田真樹 「花のうた」(混声合唱)
2014年3月22日
小林昭裕指揮 混声合唱団エーレンクランツ
http://blog.livedoor.jp/blumenk/archives/52357361.html

上田真樹 「野辺に咲く花」(混声合唱)
2015年1月31日
小林昭裕指揮 混声合唱団AUREOLE
http://blog.livedoor.jp/blumenk/archives/52405432.html
05 18
2014

男声合唱

歌う人のためではなく、聴く人のための男声合唱ガイド9 ロシアの宗教音楽1

ロシア北部正教会聖堂の聖歌集
★★★
Orthodox Shrines of the Russian North
Orthodox Shrines of the Russian North
MP3アルバム
イーゴリ・ウシャコフ指揮
ヴァラーム声楽文化教会男声合唱団

 ロシアの合唱というと、年配の方の中には、ドン・コサック合唱団や赤軍合唱団といった男声合唱団の名前を思い浮かべる人もいるだろう。ロシアがソビエト連邦と呼ばれていた頃、彼らはレコードや来日演奏を通して広く知られていた。

 彼の国の合唱といえば何をおいても、バスの重低音である。たしかにテノールの高音も相当の迫力がある。でも、バスの重厚さは日本の合唱団にはちょっと求めるべくもない。ロシアには、生まれつき低い声に恵まれた男が大勢いる。ヘ音記号の下に2本、時には3本の下線を引くような音域を彼らはいとも簡単に出してしまうのだ。

 では、日本人も練習すれば、超低音を軽々と出せるようになるのだろうか。

 ネットには、低音の出し方について書かれているサイトが数多くある。声の専門家であるボイストレーナーの見解を聞いてみよう。

  声帯の長さや重さなどは、人それぞれ決まっています。長さをさらに長くすることは
  出来ませんので、出せる低音には限界があります。

  http://www.voicetraining.jp/vocal_training/02_02.html

  低音の限界は生まれつき決まっています。
  http://music.geocities.jp/daisukidaisakuvoice/12index.html

 ……低音については、残念ながらプロでも、努力して下に伸ばせるといった領域ではないらしい。

 超低音が出せるというのはどういうメリットがあるのだろうか。一番は、単純に「すごい」と褒めてもらえるということである。テノール歌手が「高いド」の音(いわゆるハイC)を出したり(1)、ソプラノ歌手がモーツァルトの「夜の女王のアリア」(オペラ《魔笛》)を歌っている時に私たちが感じる高揚感。それと似たものを、ロシアのバスコーラスの「低いド」(ローC)から感じることができる。このような低音を、バス歌手から聴くのは難しい。理由は、演奏会で聴衆に訴えられるレベルの声量を出すことがたいへん難しいからだ(リヒャルト・シュトラウス《ばらの騎士》のオックスのような存在は例外である)。

 一方、女声において超高音を出すには、ソロと合唱とでどちらが有利なのだろうか。だんぜん前者である。「夜の女王のアリア」のようなあんな高い音は合唱にはとても無理だ。以上をまとめると、声楽における超高音はソプラノソロが、超低音はバスコーラスがそれぞれ有利ということになる。ト音記号の上に3~4本引いた音で高らかに歌うソプラノソロと、逆にヘ音記号の下に3~4本引いた音を野太く歌うバスコーラスを一緒に聴けたらどんなにいいだろうか(ちなみに最高音と最低音の差は4オクターブ半から5オクターブほどになる)。そんな合唱曲を誰かが書いていそうな気がする。

(1)本文には関係がないけれども、日本で一番ハイCにこだわりのあるオペラファンの著書を紹介しておきたい。住田誠蔵『魅惑のハイCテノール大辞典』(文芸社)。

   *  *  *

 今回扱うのがロシアの「宗教音楽」だということを忘れそうになった。でも、忘れてもいいやという気持ちが自分の中にある。オペラのストーリーを知らなくても美しいメロディーに感動することはできるし、ソロの高音に心を惹きつけられることもできるのだ。そのような感じで接していただければ十分だと思う。今回と次回でとりあげる2枚は以上の観点から選択した。どちらも、のっけからいきなり低音の世界に引きずり込まれる。

 三ツ星とした『ロシア北部正教会聖堂の聖歌集』は、単旋律のもの、ハーモニーがつけられたものがバランス良く配置されており、ロシアの男声合唱の入門編として最適である。なお、単旋律といっても、バスの旋律にテノールが1オクターブか2オクターブ上で飾り付けを行っている。テノールは主役ではなく、あくまでバスの引き立て役なのだ。しかしながら、彼らのおかげでバスの重厚さがより際立つことになる。特に10曲目が絶妙で、恐怖感を感じるぐらいだ。なお、当盤のバスはヘ音記号の下線3本の領域まで降りる(2曲目と17曲目)。

 ぜひ、CDを2回聴くことをおすすめしたい。1回目は普段どおりに、2回目は低音の動きを追っかけながら聴いてみよう。バスの存在感が強すぎて1回目から低音に気をとられそうになるかもしれないが、そうなった人はぜひとられてほしい。当盤に限らず、2パート以上の男声合唱を聴く際は上のような聴き方をやってみてほしい。同じ演奏でもずいぶん違った感じに聞こえることが多い。

 今回紹介したやり方は、オーケストラやピアノ曲、あるいは洋楽やJ-POPに接する際にも役に立つと思う。よろしければさっそく、あなたの所有しているCDやDVDでお試しください。
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Author:scaffale
「日本詩人愛唱歌集」「校歌の花束」の管理人

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