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06 26
2015

合唱全般

合唱界のクーセヴィツキー ――池田規久雄氏委嘱により生まれた合唱作品リスト――

 リスト作成者の立ち位置を書いておくと、池田氏と私は面識がありません。
 また、私は最近の合唱界の動向には詳しくない。リストから欠落している作品が数作ほどあると思います。
 そうそう、タイトルにつけた「合唱界のクーセヴィツキー」ですが、私が合唱作品リストを完成させた後に名づけました。

 曲を依頼された作曲家の発言から、次のことが読みとれます。
 作曲家に対し「内容はおまかせしますから、自由に書いてください」「いつも通りにやってください」とするタイプであること。以下の引用は、池田氏が委嘱した作品の1つ、混声合唱組曲「ポーの鐘」(作曲:なかにしあかね)からのものです。

  この作品は、池田規久雄氏の委嘱により、早稲田大学合唱団(指揮:辻 志朗)の
  ために作曲された。新曲の委嘱を頂くと、私は多くの場合、複数のテキストのアイ
  デアをご提案して、合唱団員の方に選んで頂く。今回も3通りの詩をご提案し、学生
  さん達に数か月かけて読み込んで頂き、歌いたいと思われる詩を選んで頂いた。

 
――――――――――――――――――――――――――――
寺嶋陸也 女声合唱、マンドリンとピアノのための「わが庭の歌」
2005年6月4日
野本立人指揮 合唱団まるめろ、濱野高行(マンドリン)、寺嶋陸也(ピアノ)
カワイ出版

千原英喜 男声合唱とピアノのための組曲「ある真夜中に」
2007年3月29日 
清水敬一指揮 早稲田大学高等学院グリークラブ、佐竹優(ピアノ)
全音楽譜出版社

信長貴富 混声合唱とピアノ(四手)のための「ゴールドベルク讃歌」
2008年2月17日
野本立人指揮 合唱団 轟-TODOROKI-・合唱団まるめろ・合唱団ひぐらし・女声アンサンブル桜組・宇都宮おとこコーラス粋狂座、筧千賀子・安藤友侯(ピアノ)
カワイ出版

瑞慶覧尚子 女声合唱組曲「ひとふさの葡萄」
2008年7月24日
吉田朋世指揮 山形西高等学校合唱団、郷津由紀子(ピアノ)
カワイ出版

信長貴富 女声合唱とピアノのための「ぎらりと光るダイヤのような日」
2008年9月23日
清水昭指揮 K.C.めぐみ、服部真由子(ピアノ)
カワイ出版

松下耕 男声合唱組曲「秋の瞳」
2008年10月11日
大門康彦指揮 男声合唱団フロイデ
カワイ出版

大竹くみ 男声合唱とオルガンのための「六つのマリアの歌」
2008年12月23日 
清水昭指揮 早稲田大学コールフリューゲル、大竹くみ(オルガン)
カワイ出版

松下耕 混声合唱とピアノのための「すこやかに おだやかに しなやかに」/「たったいま」(混声合唱)
※首都大学東京エリカ混声合唱団との共同委嘱。
2009年12月23日
早川由章指揮 首都大学東京エリカ混声合唱団、大竹くみ(ピアノ)
カワイ出版

なかにしあかね 混声合唱組曲「ポーの鐘」
2010年12月25日
辻志朗指揮 早稲田大学合唱団、なかにしあかね(ピアノ)
カワイ出版

大竹くみ 「聖母マリアのアンティフォナ」(混声合唱)
2011年10月2日
島田和昭指揮 群馬室内合唱団
http://gcc1996.gr.jp/20111002_concert.html

久田菜美 祝婚歌(混声合唱)
2012年4月8日
清水昭指揮 丸紅本社合唱団、筧千佳子(ピアノ)
http://reviken.blog6.fc2.com/blog-date-20120409.html
http://page.mixi.jp/view_page_feed_entry.pl?page_id=107175&feed_id=13688409

鈴木憲夫 男声合唱組曲「イーハトーヴ・ファンタジア」
2012年11月17日
岩佐義彦指揮 男声合唱団東京リーダーターフェル1925
カワイ出版

大田桜子 混声合唱とピアノのための「歌はどこから」
2012年12月23日
仁階堂孝指揮 上越教育大学混声合唱団、石川潤(ピアノ)
音楽之友社
http://blogs.yahoo.co.jp/juemixed/36892212.html

寺嶋陸也 男声合唱とピアノのための「風と浪三唱」
2013年4月14日
寺嶋陸也指揮 JORDAN会、浅井道子(ピアノ)
https://www.facebook.com/rikuya.terashima/posts/244607479017309
カワイ出版

千原英喜 混声合唱のための「ふることのふみ」
2013年6月30日
仁階堂孝指揮 Ensemble Evergreen
全音楽譜出版社
http://evergreen.sakuraweb.com/8thconcert.html

アベタカヒロ 「青春のうた・あこがれの歌」(編曲)
2013年12月23日
あらかわ童謡コンサート
http://shop.tokyo-shoseki.co.jp/shopap/special/music/ad/arakawa/

上田真樹 「花のうた」(混声合唱)
2014年3月22日
小林昭裕指揮 混声合唱団エーレンクランツ
http://blog.livedoor.jp/blumenk/archives/52357361.html

上田真樹 「野辺に咲く花」(混声合唱)
2015年1月31日
小林昭裕指揮 混声合唱団AUREOLE
http://blog.livedoor.jp/blumenk/archives/52405432.html
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04 28
2014

合唱全般

合唱をしている人々は本を読まない(鑑賞者向けの合唱曲ガイドが出版されない理由を考える1)

 以前に書いたとおり、「なぜ、合唱の分野には聴き手のためのガイドブックがないのだろうか」という疑問から、「歌う人のためではなく、聴く人のための男声合唱ガイド101」というものを作っています。

 手引きがない理由を考えるのは簡単です。すなわち、本を出しても売れないから。少なくとも出版社サイドにはそう考えられているはずです(でなければとっくに何冊も出版されていたでしょう)。では、担い手も聴き手も合唱より少ないはずの吹奏楽、古楽、現代音楽にこの種の本が存在するのはなぜでしょうか。

  よく、ちまたで、合唱をしている人々は本も読まないし、音楽会に行く人も
  意外に少ないといわれる(1)


 これは当時(1988年)、全日本合唱連盟の理事長をしていた石井歓の発言です。「ちまた」で言われるほどに多くの人が同意をしていたであろうことが注目されます。この見解に従うと、音楽会に行く人が少ない、つまり良い演奏というものに興味がないわけだし、彼らは本を読まないんだから、「名曲・名演奏を集めた本」は売れるはずがないのです。そして、吹奏楽や古楽・現代音楽の本が先に出たということは、合唱はそれらよりも売れないとみなされたということです。

 合唱をやっている人は、クラシック音楽の他のジャンルに接する人に比べて読書量が少ないのでしょうか。吹奏楽のガイドブックが何冊も出たのは、吹奏楽界の人たちが読書家だからでしょうか。たしかに、吹奏楽の雑誌について月刊誌が成立しているのに、合唱の雑誌についてはごく最近まで季刊誌『ハーモニー』しかなかった。しかもこの雑誌は全日本合唱連盟の機関誌であり、一般の書店では販売していない。商業ベースの雑誌は長らく存在していませんでした(2)

(1)『ハーモニー』(全日本合唱連盟)66号「巻頭言」p.1
(2)かつて、『合唱界』(合唱界出版社)や『合唱サークル』(音楽之友社)という月刊誌が出版されていたが、いずれも休刊となっている。また、2002~2009年にかけて『合唱表現』(東京電化)という季刊誌があった。

 「合唱界の人は本を読まない」という通念が正しいかどうかは分かりません。誰も調べたことはないでしょう(この文章を読んで、「卒業論文の題材にしよう」という学生さんがいたら望外の喜びです)。その正否はともかく、出版界にはそう思われているであろうということが重要なのです。「いや、オレは合唱団を3つ掛け持ちしている筋金入りの合唱人だが、ミステリーを毎年200冊以上読んでいるぞ」という人もいるでしょう。でも、そのような人が合唱の本に食いついてくれないということが重要なのです。

 出版社の努力が足りないのでしょうか。音楽出版社は、音楽を紹介することは上手なのかもしれないけれど、自社の本の売り込みについては苦手なのかもしれない。新潮社の「新潮文庫の100冊」といったような取り組みがないし、「この音楽書を読め!」みたいな本はあまり見かけないですよね(3)

(3)音楽書籍を紹介する本としては、片山杜秀『クラシック迷宮図書館』『続・クラシック迷宮図書館』(アルテスパブリッシング)がある。前者のあとがきでこの手の本はあまり見かけないといったことを書いていた。

 努力が足りないかどうかの当否についても、ここではこれ以上突っ込まないことにします。オペラに目を向けましょう。合唱よりは演奏人口は当然少ない。演奏会の数も多くないのだから、聴衆の数もおそらく合唱よりは少ないと思います。にもかかわらず、オペラのガイドブックはたくさんある。オペラを支える層には読書が好きな人が多いのかもしれません。『グランド・オペラ』(音楽之友社)という雑誌もありました(現在は不定期刊行のムックへと移行)。

 少数派だけれども本が売れるオペラと、多数派だけれども本が売れない合唱。マーケティングでいえば、買うことがわかっている少数派の「顕在層」と、買ってくれない多数派の「無関心層」のようなものです。でも、合唱に関わるすべての人が無関心層というわけではない。「潜在層」がそれなりにはいるはずです。顕在層にアプローチしながら、潜在層に訴えかけるものを作れないか? 誰かがこう考えました。そして、彼のアイデアは、オペラと合唱の2つを扱う、画期的な雑誌へとつながったのです。

 その雑誌は2013年に創刊されました。『Hanna』(ハンナ)です。表紙に「うたと合唱とオペラ」とある通り、「うた」に関するさまざまなもの――歌曲やヴォーカルグループ、初音ミクなど――を横断的に扱いつつ、オペラと合唱という2大ジャンルで成功する雑誌を作ろうという冒険的な試みだったのです。

ショパン増刊 Hanna (ハンナ) 2014年 05月号
ショパン増刊 Hanna (ハンナ) 2014年 05月号

 合唱とオペラがいかに重要視されているかは、創刊号の構成でもわかります。全84ページの中で、合唱に関するページが29ページ(巻末楽譜を含む)。オペラに関するものが22ページです。残り33ページの内訳を見てみましょう。

  広告 7ページ(ラテーザがお届けする夏のオペラツワー2013など)
  目次 2ページ
  コンサートの紹介 9ページ(コンサート&インフォメーション:2ページ、コンサートガイドINDEX:7ページ)
  特集 うたの魅力、うたの魔力 5ページ
  ああ、冬の旅(岡村喬生) 2ページ
  北中正和のワールドミュージック散歩 1ページ
  ル・ヴェルヴェッツ 1ページ
  『初音ミク』がすごい! 1ページ
  Intermezzo 2ページ(コンサートや曲・団体の紹介記事だが、うち1ページはすべてが合唱関連)
  声に効くレシピ(荒井香織) 1ページ
  音程のずれがひと目でわかる!(田代直子) 1ページ
  お便りをお寄せ下さい/編集後記 1ページ


 結果ですが、売れたようです。3号雑誌にならなくてよかった。私も毎号買っています。

 次回は『Hanna』におけるCD紹介の現状について書きます。
 
12 01
2011

合唱全般

男声合唱で日本民謡 全都道府県をカバーできるか

今はそうでもないですが、かつて、日本民謡に非常に興味を示していた時期がありました。編曲を依頼されたこともありますし、実際に着手したこともあります。そして、資料集めのために図書館で『日本民謡大観』にあたったり、民謡のCDを聴いたり。日本民謡を手がける作曲家たちの幾人もが、民謡を西洋音楽の手法で編曲し、それを演奏することについての問題点にぶつかり、そして嘆いていますが、私も同じでした。

日本民謡による合唱曲をせっせと収集していたこともあります。どのような歌が選ばれたのか、また、どのようにアレンジされたのかを知るためであり、そして、どのように自分が民謡に向き合えばいいのかの路標とするためでした。

ここから本題。仮に、日本民謡を歌いたいという合唱団があったとします。この「仮に」という副詞を数倍強調して、「日本民謡による合唱曲のCDを作りたくなった合唱団があったとします」でも、「毎年、日本各地で演奏会を開いている合唱団があったとします。以前は訪問する先々で同じレパートリーでコンサートを組み立てていましたが、今年から趣向を変えて、『1ステージは、聴衆の地元の民謡をとりあげよう』と考えたとします」でもいいでしょう。

さて、曲目集めです。まず、「現在出版されている合唱曲」の楽譜を集めてみることにしました。オンデマンドになっているものも購入しました。収集にかかった費用はいったい何万円になったのかについてはここでは触れないことにしましょう。さて、47都道府県の楽譜を集めることができたのでしょうか。その結果を、まず男声合唱編から公表することにしました。「現在出版されている」ですから、絶版楽譜(そう思われるものも含む)や、出版されていないものは入っていません。また、難易度や編成についても考慮していません。

誰得な試みだと突っ込まれそうですが、訪問演奏のプログラムビルディングに頭を痛めている指揮者や選曲委員には役に立つのではないでしょうか。


プロフィール

Author:scaffale
「日本詩人愛唱歌集」「校歌の花束」の管理人

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