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04 20
2013

男声合唱

歌う人のためではなく、聴く人のための男声合唱ガイド2 グレゴリオ聖歌――なぜ男だけで歌うのか

グレゴリオ聖歌 聖セヴェルスの典礼
ジャンニ・デ・ジェンナーロ指揮
アンサンブル・カリクスティヌス

★★★
Officium Sancti Severi (Gregoriano)
Officium Sancti Severi (Gregoriano)

 第1回「チベット仏教」で、「男声合唱は、混声合唱に比べて音域や音色が豊かではないが、それは決して欠点ではない」と書いた。そして、低い音域しか利用しない例として、もっとも極端なものを紹介した。今回は音色編である。グレゴリオ聖歌ほど、説得力がある素材はない。原則として楽器を伴わず、合唱は一つの旋律を奏でるだけである。にもかかわらず、このようなCDが何百種類も(何千も?)あり、受け容れられているのだから。特に、スペインで最初に発売されたシロス修道院合唱団のCDは、世界で500万枚、日本だけでも17万枚も売れたのだという(1)。濱田滋郎によると、スペインにおいては「あらゆるジャンルにわたる“ヒット・チャート”のトップを、この“地味な”アルバムが走りつづけ」たのだそうだ。そういえば、佐村河内守の交響曲第1番のCDがオリコン2位になったというニュースがあったけれども、くだんのグレゴリオ聖歌のCDは、なぜこんなに大流行したのかまったく分からないのだそうだ。

(1)HMV「グレゴリアン・チャント(グレゴリオ聖歌) シロス修道院合唱団」

 この回のおすすめCDの選択は本当に困難だった。ここで楽屋裏を少し語ると、「男声合唱101」選曲を本格的に始めたのは2012年3月から(本格的でないものについては2003年頃から)である。最後の曲の選曲を終えたのが今年の3月26日。そして、「よし、アンサンブル・カリクスティヌスのCDを選ぼう」となったのが今年の2月8日。つまり、選曲作業の終盤になってようやく決まったわけである。

 さて、この演奏。グレゴリオ聖歌を聴き慣れている人の方が驚くかもしれない。単旋律ではない曲が入っているからだ。全22曲のうち半分ほどがオルガヌムという手法を用いている。元々の声部に別のパートを加えたものである。

 22曲の内訳を見てみよう。下の数字は、何曲目が右で示した編成になっているかを表したものである。

  1, 4, 5, 15, 16, 21 斉唱
  2, 8, 9, 10, 14, 18, 19, 20, 22 合唱(オルガヌム)
  3, 6, 7, 11, 12, 13 独唱
  17 重唱(オルガヌム)


 斉唱、合唱、独唱、重唱。さまざまな形式の歌で構成されている。他のCDのほとんどが斉唱ばかりなので稀少価値が高い。そして、低音が実に豊かだ。自宅にあるもの、ネットで聴けるもの、たくさんのグレゴリオ聖歌に接したけれども、1枚を何回も聴き通して決して飽きなかった、数少ないCDである。この手の曲を初めて聴く人、単旋律の世界に何十年も親しんできた人、両方におすすめしたい。

 ところで、グレゴリオ聖歌といい、第1回のチベット仏教の音楽といい、なぜ、男性のみによって担われるのだろうか。本当は今回のサブタイトルでも分かるとおり、この回でじっくり語りたかった。前回のアーチボルド・デヴィソンが指摘したように、男だけで音楽をやるのは、多分に社会的理由がある。この場合の「社会的」というのには宗教的なものも含めている。なぜ、女性がいないのだろうか。男と女を分けなければならない理由とは? この問題については第4回を終えた後に扱う。


Festa di St Nichola Vescovo di Myra a Bari, Gregoriano
グレゴリオ聖歌 聖ニコラウスの聖務
ジャンニ・デ・ジェンナーロ指揮
アンサンブル・カリクスティヌス

 同じ指揮者、団体によるこのCDも捨てがたい。4曲目が特に素晴らしい。
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